アイとはなんですか？なお題

アイとはなんですか？なお題

１：アイされなかった天使たち

君は父さんの“アイ”をたくさん浴びた。
偽物なんて、知らなかったでしょ？
「バカだね」
僕は、大丈夫。
父さんから何も貰わなかったから。
「“思い”をなくしたからだよ」

僕の“思い”は夢への渇望と、


少しの、羨望。

嘘の“アイ”を受けた少年。
嘘のため“アイ”を受けられなかった少年。

アイされなかった天使たち


２：愛情なんていらないから

「ねぇ母さん。今日も絵、描いたんだ」
毎日繰り返される。
「うわぁ、バロウ。それ、ママ？」
どんな下手な絵だって、母さんは笑顔で見てくれる。

「ねぇ母さん。今日も絵、描いたんだ」
毎日繰り返される。
笑顔を除いて。

それでも。
「ねぇ母さん。今日も絵、描いたんだ」

愛情なんていらないから


３：笑ったよ、笑ったんだ

分かってる、分かってるよ。
アンタまた、私たちのためにボロボロになるんでしょ？
分かってる、分かってるよ。
アンタは初めて私を頼ってくれた。
それなに、それはきっと破られる約束。
だけど私は。
だけど私は。
「行ってこいバカ！！！」

笑ったよ、笑ったんだ


４：白いブラウスを着た

「幸せの色って、どんな色だと思うかい？」
父さんがいきなり僕に、声をかけてくる。
分かってる。
模範解答は用意されてあるんだ。
「“幸せ”なんて僕は知らないよ」
「そうだったね」
父さんは、笑顔で僕に嘘をつかせる。
１つだけ、１つだけ思いついたんだ。

みんな居て、僕が居て、
まだ“幸せ”なんて言葉を知らなかった頃。

その時の色は、きっと。

そっと静かに。


白いブラウスを着た


５：この感情は何だろう？

例えばそれは、
独占欲。
「あ、ここちゃうで。そこはここの公式…」
何で佐野なんかと勉強……。
例えばそれは、
羨望。
「森！ぶっちゃけココどうすればいいんだ？」
誰からも頼りにされてる。
例えばそれは、
好奇心。
「あいちゃん、ちょっと……」
何話してんだ？

例えばそれは、

守りたい。

この感情は何だろう？